介護ならでは、NPOならではの取り組みへ『百日草 No.30』

2020年度はコロナとの戦いの一年でした。職員一人ひとりが、三密を避け、手洗い消毒などの感染対策を行いながら、サービスを継続してくれたことに感謝しています。ここにきて、ワクチン接種も始まり、少し明るい兆しが見えてきました。引き続き気を引き締めつつ、感染発生などに備え、事業継続のしくみや感染拡大させない体制などを整えていきたいと思います。

2021年は介護保険制度の改定年です。要点として「感染症や災害への対応力強化」 が挙げられているのは当然として、ほかには「地域包括ケアシステムの推進」「介護人材の確保 ・ 介護現場の革新」「制度の安定性 ・ 持続可能性の確保」 などがうたわれています。介護の社会化をめざし、制度の立ち上げを応援した NPO からすれば、いずれも必要不可欠のテーマですが、必ずしも私たちの思いに応える内容ばかりとはいえません。

訪問介護は身体介護中心のプランが増え、高齢者の在宅生活にいちばん必要な生活援助は抑制されています。通所介護はリハビリ ・ 機能訓練、口腔 ・ 栄養の取り組みなど、 医療系の専門職との連携が推奨されます。今や地域に欠かせない訪問看護は本来医療サービスであり、施設での医療ニーズヘの対応強化や看取りへの評価など、医療・看護重視の傾向は進んでいて、介護保険が医療保険を補填する制度となっているように思われます。介護人材を将来にわたって確保するには、介護職の収入面での処遇改善だけではなく、その社会的地位を向上させる意識改革が求められますが、テクノロジーの活用、科学的介護の取り組み推進などが、はたして、地域での在宅生活を支援するために本当に効果のある取り組みなのか、疑問を感じてもいます。

「看取りへの対応」 については、この超裔齢社会で避けて通れない問題です。病院や施設だけでなく、望む・望まないにかかわらず在宅での看取りが増えていくと思われますので、医療 ・ 看護と訪問介護などが連携することは必須でしょう。どのように利用者の尊厳を守りながら最期まで介護を続けるか、家族を支えるかなど、ケアマネジャーや介護職のレベルアップも必要です。医療サービスが入る時間は一日のうちそれほど長くはなく、介護保険が利用できる時間も限られてくるでしょう。そのような場合に、水分補給をしながら見守りをしたり、穏やかに話し相手をしたり、家族が最期の時間をともにすごせるよう家事を肩代わりするなど、NPOが支援できることは 少なくないと思われます。看取りのためのボランティア研修なども検討していきたいと考えています。

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たすけあい大田はせさんず